記憶を買い取る質屋
24歳の阿磁(アーツー)は、祖父が亡くなったとき、残されたのは未払いの税金と埃っぽい骨董品だけだと思っていた。しかし、古い街の路地裏に佇むその質屋が実際に扱っていたのは、悲しみや愛おしい子供時代の思い出、そして奪われた幸運という形のない人間の記憶だった。祖父の真鍮の天秤に導かれ、阿磁は人間ではない風変わりな客たちの感情の重さを鑑定しなければならない。だが、釣り合いを保つには大きな代償が伴う。取引ごとに質屋の主自身の過去の一部が担保として要求され、彼女は自分が誰であるかを忘れてしまう前に、消えゆく自我を守りながら都市の謎を解き明かしていく。
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